第168回芥川龍之介賞候補作品(2022年度下半期)
作者/作品 | 備考 |
安堂ホセ 「ジャクソンひとり」 kindle版あり 文藝冬季号掲載 河出書房新社 単行本 : 160ページ |
第59回文藝賞受賞 |
[受賞] 井戸川射子 「この世の喜びよ」 群像7月号掲載 2022/11/10 講談社 単行本 : 144ページ |
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グレゴリー・ケズナジャット 「開墾地」 群像11月号掲載 2023/1/26 講談社 単行本 : 96ページ |
1984年生まれのアメリカ出身作家 |
[受賞] 佐藤厚志 「荒地の家族」 新潮12月号掲載 kindle版あり 新潮社 単行本 : 160ページ |
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鈴木涼美 「グレイスレス」 文學界11月号掲載 2023/1/14 kindle版あり 文藝春秋 単行本 : 128ページ |
「ジャクソンひとり」あらすじ
東京に暮らすブラックミックスたちが企む鮮やかな逆襲劇
「実際に生きてるってこと。盗用したポルノごっこじゃなくて」
アフリカのどこかと日本のハーフで、昔モデルやってて、ゲイらしい――。
スポーツブランドのスタッフ専用ジムで整体師をするジャクソンについての噂。
ある日、彼のTシャツから偶然QRコードが読み取られ、そこにはブラックミックスの男が裸で磔にされた姿が映されていた。
誰もが一目で男をジャクソンだと判断し、本人が否定しても信じない。
仕方なく独自の調査を始めたジャクソンは、動画の男は自分だと主張する3人の男に出会い――。
「この世の喜びよ」あらすじ
幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。
ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。
二人の目にはきっと、あなたの知らない景色が広がっている。あなたは頷いた。こうして分からなかった言葉があっても、聞き返さないようになっていく。(本書より)
「開墾地」あらすじ
何かを追いかけているのか、
それとも何かから逃げているのか。
父のルーツの言葉、母語の檻、未知なる日本語
父と息子、故郷へのそれぞれの想いが静かに共振する
留学先の日本から、サウスカロライナに帰郷したラッセル。
葛の繁茂した庭、南部ならではの湿気、耳に届く哀切な音楽――
青年は、遠くイランからこの地に根を下ろした父の来し方に想いを馳せる。
「荒地の家族」あらすじ
元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。40歳の植木職人・坂井祐治は、災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、被災地に生きる人々の止むことのない渇きと痛み。
「グレイスレス」あらすじ
デビュー小説『ギフテッド』に続き、芥川賞候補に選ばれた鈴木涼美の第二作。主人公は、アダルトビデオ業界で化粧師(メイク)として働く聖月(みづき)。彼女が祖母と共に暮らすのは、森の中に佇む、意匠を凝らした西洋建築の家である。まさに「聖と俗」と言える対極の世界を舞台に、「性と生」のあわいを繊細に描いた新境地。
第167回芥川龍之介賞候補作品(2022年度上半期)
6/16候補作発表
7/20選考会
創設以来すべての候補作品が女性作家によるもの、という点が大きなニュースに。
作者/作品 | 備考 |
小砂川チト 「家庭用安心坑夫」 掲載誌 群像 |
第65回群像新人文学賞受賞作 |
鈴木涼美 「ギフテッド」 掲載誌 文學界 2022/7/12発売 単行本120ページ |
夜の街で働くホステスが主人公 |
[受賞作] 高瀬隼子 「おいしいごはんが食べられますように」 掲載誌 群像 2022/3/24発売 単行本162ページ kindle版あり |
Amazonによると *仕事 *食べもの *恋愛小説 という3釣り要素をもつ作品。 表紙には鍋が登場 |
年森瑛 「N/A(エヌエー)」 掲載誌 文學界 2022/6/22発売 単行本120ページ kindle版あり |
異例の満場一致し、 第127回「文學界新人賞」 を受賞した作品 |
山下紘加 「あくてえ」 掲載誌 文藝 2022/7/15発売 単行本176ページ |
作者は1994年の若い女性。 |
「家庭用安心坑夫」あらすじ
日本橋三越の柱に、幼いころ実家に貼ったシールがあるのを見つけたところから物語は始まる。
狂気と現実世界が互いに浸食し合い、新人らしからぬ圧倒的筆致とスピード感で我々を思わぬところへ運んでいく。
誌上発表後、新聞各紙絶賛、話題沸騰の受賞作を緊急刊行!
「ギフテッド」Amazonの作品紹介
歓楽街の片隅のビルに暮らすホステスの「私」は、重い病に侵された母を引き取り看病し始める。
母はシングルのまま「私」を産み育てるかたわら数冊の詩集を出すが、成功を収めることはなかった。
濃厚な死の匂いの立ち込める中、「私」の脳裏をよぎるのは、少し前に自ら命を絶った女友達のことだった――
「夜の街」の住人たちの圧倒的なリアリティ。
そして限りなく端正な文章。
新世代の日本文学が誕生した。
「おいしいごはんが食べられますように」あらすじ
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。
職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。
ままならない人間関係を、食べものを通して描く傑作。
「N/A(エヌエー)」あらすじ
松井まどか、高校2年生。
うみちゃんと付き合って3か月。
体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。
――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。
優しさと気遣いの定型句に苛立ち、
肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。
「あくてえ」あらすじ
あたしの本当の人生はこれから始まる。小説家志望のゆめは90歳の憎たらしいばばあと母親と3人暮らし。
ままならなさを悪態に変え奮い立つ、19歳のヘヴィな日常。
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