第166回直木賞(2021年度下半期)候補作品
2021年12月17日発表。
2022年1月19日に受賞作が決定。
2作品が受賞。
作品/作者 |
ジャンル | 備考 |
逢坂冬馬 「同志少女よ、敵を撃て」 早川書房 2021年11月17日発売 単行本496ページ kindle版あり |
ミステリー エンタメ |
作者にとってのデビュー作。 選考委員全てが5点満点をつけるという 高い評価を受けて新興ミステリー文学賞の 第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作を受賞。 第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台にした作品。 |
彩瀬まる 「新しい星」 (文藝春秋) 2021年11月24日発売 単行本229ページ kindle版あり |
不明 | 短編集である模様。 レビューが少ないため、細かいジャンルは不明。 ページ数少ない。 |
[受賞作品] 今村翔吾 「塞王(さいおう)の楯」 (集英社) 2021年10月26日発売 単行本560ページ kindle版あり |
戦国小説 | 戦国時代の日本を舞台とした時代小説。 レビュー評価高い。 |
柚月裕子 「ミカエルの鼓動」 (文藝春秋) 2021年10月7日発売 単行本467ページ kindle版あり |
医療小説 ミステリー |
レビューを参考にすると 医療要素とミステリー要素、両方がある模様です。 評価は賛否両論あり。 |
[受賞作品] 米澤穂信 「 黒牢城(こくろうじょう)」 KADOKAWA 2021年6月2日発売 単行本448ページ kindle版あり |
ミステリー 歴史小説 |
第12回山田風太郎賞受賞作。 その他、宣伝文によると 「4大ミステリランキング制覇」 を達成したというミステリー作品。 舞台は戦国時代で 歴史小説という半面もあり。 5人の中で最も有名で売れっ子の 米澤氏が受賞できるか注目。 |
「同志少女よ、敵を撃て」あらすじ
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。
急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。
自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。
「戦いたいか、死にたいか」
――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。
母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。
同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、
やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。
おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?
新しい星の内容
幸せな恋愛、結婚だった。これからも幸せな出産、子育てが続く……はずだった。
順風満帆に「普通」の幸福を謳歌していた森崎青子に訪れた思いがけない転機――娘の死から、彼女の人生は暗転した。
離婚、職場での理不尽、「普通」からはみ出した者への周囲の無理解。
「再生」を期し、もがけばもがくほど、亡くした者への愛は溢れ、「普通」は遠ざかり……。
(表題作「新しい星」)
「塞王(さいおう)の楯」
越前・一乗谷城は織田信長に落とされた。
幼き匡介(きょうすけ)はその際に父母と妹を喪い、逃げる途中に石垣職人の源斎(げんさい)に助けられる。
匡介は源斎を頭目とする穴太衆(あのうしゅう)(=石垣作りの職人集団)の飛田屋で育てられ、
やがて後継者と目されるようになる。匡介は絶対に破られない「最強の楯」である石垣を作れば、
戦を無くせると考えていた。両親や妹のような人をこれ以上出したくないと願い、石積みの技を磨き続ける。
秀吉が病死し、戦乱の気配が近づく中、
匡介は京極高次(きょうごくたかつぐ)より琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任される。
一方、そこを攻めようとしている毛利元康は、
国友衆(くにともしゅう)に鉄砲作りを依頼した。「至高の矛」たる鉄砲を作って皆に恐怖を植え付けることこそ、
戦の抑止力になると信じる国友衆の次期頭目・彦九郎(げんくろう)は、「飛田屋を叩き潰す」と宣言する。
大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開ける――。
「ミカエルの鼓動」あらすじ
大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。
そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、
とてつもない速さで完遂する。
あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。
「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。
そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。
大学病院の闇を暴こうとする記者は、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。
天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。
「 黒牢城(こくろうじょう)」あらすじ
本能寺の変より四年前、天正六年の冬。
織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。
動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。
事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。
デビュー20周年の集大成。
『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。
第165回直木賞(2021年度上半期)候補作品
6/11発表
7/14に受賞作品決定。
2作品が受賞する形に。
作品/作者 | ジャンル | 備考 |
一穂ミチ 「スモールワールズ」 (講談社) 2021年4月11日発売 単行本306ページ kindle版あり |
短編集 (ジャンル微妙) |
Amazonレビューを参考にすると 6つの短編(連作)で、かなり高い評価。 6作合計でも300ページ程度なので、 小説を読むのが苦手な人にもおすすめ。 どんなジャンルの短編集かは微妙でわからず。 |
呉勝浩 「おれたちの歌をうたえ」 (文藝春秋) 2021年2月10日発売 単行本598ページ kindle版あり |
ミステリー | 紙版で言うと約600ページという眺めの作品。 評価は賛否両論。 紙版・電子版共に単価2000円くらいのため、 大のミステリー好きの人以外が 購入するのは少しリスクあり。 |
[受賞作品] 佐藤究 「テスカトリポカ」 (KADOKAWA) 2021年2月19日発売 単行本560ページ kindle版あり |
クライムノベル (犯罪小説) |
第34回・山本周五郎賞受賞作。 紙の本で約550ページと長いものの、 こちらは直木賞のライバル賞である 新潮社の山本賞受賞作品で、 Amazonレビュー評価も高く、 かなりの完成度のようです。 ただし、メキシコが舞台で麻薬をはじめ かなりダークな事柄が登場するらしいため、 そういった世界と触れたくない人には向かない作品。 |
[受賞作品] 澤田瞳子 「星落ちて、なお」 (文藝春秋) 2021年5月12日発売 単行本321ページ kindle版あり |
歴史小説 時代小説 |
5月発売のため、 6月時点ではまだ評価の具合いがわからず。 |
砂原浩太朗 「高瀬庄左衛門御留書」 (講談社) 2021年1月20日発売 単行本338ページ kindle版あり |
時代小説 | 様々なメディアや大物昨夏から絶賛されている 時代小説作品 |
「スモールワールズ」あらすじ
夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。
「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。
人知れず手紙を交わしつづける男と女。
向き合うことができなかった父と子。
大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。
誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。
「おれたちの歌をうたえ」あらすじ
「あんた、ゴミサトシって知ってるか?」 元刑事の河辺のもとに、ある日かかってきた電話。その瞬間、封印していた記憶があふれ出す。真っ白な雪と、死体――。あの日、本当は何があったのか? 友が遺した暗号に導かれ、40年前の事件を洗いはじめた河辺とチンピラの茂田はやがて、隠されてきた真実へとたどり着く。
「テスカトリポカ」あらすじ
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、
対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。
二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。
川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。
海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。
人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。
誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。
「星落ちて、なお」あらすじ
鬼才・河鍋暁斎を父に持った娘・暁翠の数奇な人生とは――。
父の影に翻弄され、激動の時代を生き抜いた女絵師の一代記。 不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。
残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。
早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。
暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。
兄はもとより、弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかり頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうもない。
河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっっているのだった――。
「高瀬庄左衛門御留書」あらすじ
神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。
50歳を前にして妻を亡くし、さらに息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。
残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きていた。
しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。
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